事業再生35 守るべきは“会社”。切るべきは“損を招く部門”。不採算部門の見極めと撤退戦略


その部門、実は全体の足を引っ張っていませんか?

「どこかで利益を出しているはず…」と放っておいたら、むしろ赤字が肥大化しているケースもあります。葛飾区・江戸川区・墨田区・足立区の中小企業が再生を目指す際、部分最適ではなく全体最適の視点が求められます。

不採算部門の見極めと撤退は、苦渋の決断であると同時に、経営の構造を立て直す「再生の鍵」でもあります。この記事では、見極めと撤退のステップを解説します。


目次

  1. 不採算部門を見極める3つの視点
  2. 撤退・整理の進め方6ステップ
  3. 地域中小企業の実例と教訓

1. 不採算部門を見極める3つの視点

✅ 数値で見る「PL/CF分析」

  • 部門ごとの売上、原価、人件費、固定費を切り分け、利益率/キャッシュフロー効率を比較
  • 不採算なのに受注を追っている部門は削る対象。

✅ 将来性の視点

  • 成長が見込めるか?市場・顧客層が将来的に縮小傾向か?
  • 地域特性(葛飾・江戸川・墨田・足立)の変化に合わせ、続ける価値があるか検討。

✅ 機会コストの視点

  • 社資源(時間・人材・資金)を他に集中投資して利益率を高める余地はあるか?
  • 損失よりも本当に失うものの方が大きくないかを比較。

2. 撤退・整理の進め方6ステップ

✅ ステップ①:現状把握と目標整理

  • 部門別PL・CFを整理し、「撤退済/維持/改善可能」の3類型に分類。

✅ ステップ②:「整理担当」チームを明確化

  • 経営層および現場の責任者が協働で判断・調整。

✅ ステップ③:撤退計画の設計

  • 在庫処分/顧客移管/契約終了スケジュール/可能な譲渡先の模索 など、具体計画を数値化。

✅ ステップ④:関係者への説明

  • スタッフ、取引先、金融機関への丁寧なコミュニケーションが不可欠。

✅ ステップ⑤:実施と進捗管理

  • 日次/週次で状況確認、計画との差を随時修正。

✅ ステップ⑥:撤退後の再構築

  • 浮いた資源を、利益性の高い部門や新規施策に再投資。

3. 地域中小企業の実例と教訓

✅ 事例:江戸川区の印刷・企画会社

  • 状況:販促用企画部門だけ赤字が拡大。他部門は黒字安定。
  • 対応:赤字企画部門を撤退、印刷・物流部門に集中。地域商店街との提携も強化。
  • 結果:撤退後半年で営業利益率5%向上、キャッシュフローが劇的改善。

💡 不採算部門の撤退は痛みを伴うが、全体の健康にとって必要な処置となる。


まとめ

全体最適の視点で、不採算かつ成長性の乏しい部門は整理対象となる
数値分析+判断体制+撤退計画の整備が不可欠
撤退後は削減ではなく“再投資”で成長回復を目指す

「どの部門が切るべきか判断できない」「撤退をどう進めるか相談したい」という方は、ぜひ問い合わせからご相談ください。
地域企業に即した再生と再構築の支援をいたします。

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