事業再生43 賃料や光熱費の交渉術 — 固定費見直しの基本


固定費は経営の“重り”になる。まずは交渉・見直しで軽くしよう

事業再生において、固定費の重さは痛感する課題のひとつです。
家賃や光熱費、水道・ガス・電気といった固定的支出が膨らむと、売上が多少回復しても利益を生めない状況に陥りがちです。

特に地域密着型の企業(葛飾区・江戸川区・墨田区・足立区など)では、賃料や公共料金が高く、交渉余地を見逃しているケースも少なくありません。

本記事では、賃料・光熱費を見直す交渉術と実行ステップを、具体的なポイントとともに解説します。


目次

  1. 固定費見直しの意義
  2. 賃料交渉術:家主との対話と条件交渉
  3. 光熱費・公共料金交渉・節約術
  4. 実行前に注意すべきポイント

1. 固定費見直しの意義

  • 固定費は売上の変動に対して柔軟性を失わせる
  • 収益改善のインパクトが大きい分野
  • 他のコスト削減や売上増施策との相乗効果を高めるベース

つまり、まず手を付けるべき“安全地帯”となるコストです。


2. 賃料交渉術:家主との対話と条件交渉

✅ いつ交渉を始めるか?

  • 契約更新時期の約6〜12ヶ月前
  • 再契約や契約変更を申し出るタイミング
  • 周辺の賃料相場が下がっているとき

✅ 交渉時の視点と打ち手

視点具体打ち手
他社比較周辺の賃料相場を事前に調査し、交渉材料に
長期契約長期契約を引き受ける条件で賃料割引を提案
空室保証・共同負担共用設備費・修繕費を折半にする提案
減免期間再生中は一定期間賃料減免や猶予を求める
複数テナントでの一括交渉近隣テナントと共同で交渉力を強める

例:東京近隣で雑貨店を運営するある店舗では、契約更新時に隣のテナントと共同交渉を行い、月額賃料を10%下げてもらった実例があります。

✅ 交渉時のマナーと準備

  • 家主側の立場・事情も想定して交渉する
  • 財務状況改善計画を提示し、「継続入居の誠意」を示す
  • 複数案を用意 → 全面値下げ案・分割案・猶予案など選択肢を持つ

3. 光熱費・公共料金交渉・節約術

✅ 電力・ガスの契約見直し

  • 電力会社・ガス会社の契約プランを比較・切り替え
  • 基本料金プラン・ピークシフトプランなどの再検討
  • 複数年契約やセット契約の交渉

✅ 使用実態の把握と節電策

  • 使用データ(時刻別消費電力)を取ってムダを見つける
  • 高効率設備(LED、インバータ冷暖房、断熱材)に更新
  • タイマー運転・設定温度の見直し・センサー導入

✅ 水道・下水・上下水道の節水対策

  • 節水型機器への切り替え
  • 漏水チェック・修繕
  • グレード(使用量階層)を下げられる交渉

✅ 光熱費交渉のポイント

  • 省エネ改修計画(LED化、断熱改修など)を提示
  • 公共料金事業会社との契約見直し交渉
  • 大口契約・時間帯契約を活用して単価引下げを打診

4. 実行前に注意すべきポイント

  • 改修費用との回収性:投資に見合う削減効果があるかシミュレーション
  • 契約条項の確認:賃貸契約書に減免・改修条項がないか確認
  • 信用関係維持:交渉が難航しても威圧的な態度を取らない
  • 複数交渉先のバッファを設ける:一社に依存しすぎない
  • 段階実施:全改定ではなく、段階的に実行して顧客・取引先に混乱を与えない

まとめ

賃料・光熱費は「交渉可能な固定費」であり、見直しによる節約効果は大きいものです。家主・業者との対話を丁寧に設計し、省エネと契約見直しを併用することで、信用を損なわずながらコストを削減する道があります。

➡ 事業再生支援の詳細はこちら(https://hiranumacon.com/support/)
事業再生支援サービスで詳しくご確認ください。
➡ 無料相談・問い合わせはこちら(https://hiranumacon.com/contact/)
無料相談を受け付けています。

PAGE TOP