事業再生20 資金が尽きる前に!リスケジュールと資金調達を同時に進める実践戦略


返済は待ってもらいたい、でも資金も必要…矛盾した状況にどう対応する?

「借入の返済が厳しい…リスケジュールをしたい」
「一方で、新たな事業資金や運転資金も必要だ」
「でも、返済猶予をお願いしながら新たな融資を受けるなんて無理じゃないか…?」

こうした悩みは、資金繰りが厳しい中小企業に共通するジレンマです。リスケジュール(返済猶予)と資金調達は一見相反する行動ですが、実は戦略的に両立させる方法が存在します。

この記事では、リスケと資金調達を同時並行で進めるための実践的手法と成功のポイントを解説します。


目次

  1. リスケジュールと資金調達はなぜ両立しにくいのか?
  2. 両立を可能にする「信用補完」と「調整戦略」
  3. 同時並行で進めるためのステップと注意点
  4. 実際に成功した中小企業の事例紹介

1. リスケジュールと資金調達はなぜ両立しにくいのか?

リスケジュールとは、既存の借入金の返済条件を見直すこと。これにより、元本返済を一時的にストップし、資金繰りの余裕を確保できます。

一方、新規融資には**「信用」が求められます。**
リスケ中=返済能力に疑問あり、と見られやすく、新規融資が難しくなるというのが金融機関の一般的な見方です。

しかし、リスケ=倒産寸前、とは限りません。
大切なのは、リスケを「再生のための戦略の一部」として金融機関に納得させることです。


2. 両立を可能にする「信用補完」と「調整戦略」

✅ 鍵は「信用補完」と「資金使途の明確化」

戦略内容
信用保証制度の活用信用保証協会を通すことで、民間金融機関の不安をカバー
資金使途を限定「売上向上のための資金」「固定費削減のための設備投資」など、再生につながる使い道を明確にする
返済計画の整合性リスケ内容と新規融資返済計画のバランスを示す

💡 金融機関との信頼関係がカギ。再生計画書の提出で信頼を得ましょう。

3. 同時並行で進めるためのステップと注意点

ステップ①:現状の資金繰り状況と借入状況の整理

→ 返済能力、手元資金、今後の入出金を洗い出し、試算表を作成

ステップ②:リスケジュールの交渉

→ まずはメインバンクに相談。将来の収益改善見込みと再生計画を提示

ステップ③:新規融資の検討と準備

→ 信用保証付き融資や制度融資(東京都、区の融資制度)を中心に検討

ステップ④:「二段階戦略」で交渉を進める

  1. リスケ先行型:先にリスケし、数ヶ月後に資金調達(資金使途と改善効果を説明)
  2. 資金調達先行型:改善投資のための資金を確保した上でリスケを申請(支援の一部として)

💡 どちらが有利かは、事業の状況と金融機関の関係性によって異なります。


4. 実際に成功した中小企業の事例紹介

事例:足立区の製造業A社のケース

  • 状況:売上減少により、月々の借入返済が困難に。リスケを希望。
  • 課題:新規の設備投資で生産性向上を目指したいが、資金がない。

✅ 解決策:

  • 信用保証協会付きの「経営改善支援融資」を活(東京都制度)
  • 金融機関に再生計画書を提出し、「返済猶予+投資資金の同時提案」
  • リスケと新規融資を“別の借入枠”で並行処理

✅ 結果:

  • 月の返済負担が半減
  • 投資効果で売上が15%回復し、半年後に返済条件の見直しが実現

まとめ:諦めず、戦略的に両立を目指そう!

リスケと資金調達は、正しい戦略があれば同時に進められる
資金使途の明確化と再生計画書の提出が成功の鍵
金融機関・保証協会との関係構築がカギ

「どう交渉を進めればいいか分からない…」という方は、問い合わせからお気軽にご相談ください。再生計画と資金戦略の両面からサポートします。

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