資金調達33　M&Aを「資金調達の選択肢」として活用する時代

葛飾区・江戸川区・墨田区・足立区で事業を営む経営者の中には、「資金を調達したいが、融資ではなく事業の一部を手放して現金化したい」「後継者がいないので売却を検討している」といった課題を抱えている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、M&A（事業売却・株式譲渡など）を活用した資金調達の方法を解説し、地域の中小企業が実務で取り組むための流れと支援制度についてご紹介します。

目次

  1. M&Aによる資金調達とは？
  2. M&Aを活用した主な資金調達手法
  3. M&Aプロセスと注意点
  4. 地域の公的支援制度と活用法

1. M&Aによる資金調達とは？

M&A（Mergers and Acquisitions）とは、企業の合併・買収を指し、資金調達手段としては「自社の事業や株式を売却して現金を得る方法」です。
近年は後継者不在の企業だけでなく、成長戦略や資産整理の一環としても活用されています。

M&Aによって得られる資金は、借入とは異なり返済不要で、事業の再構築や新規投資に活用しやすいのが特徴です。

2. M&Aを活用した主な資金調達手法

資金調達方法内容と特徴
事業譲渡一部の事業部門や店舗を他社に売却して資金を得る
株式譲渡経営権ごと売却し、創業者・経営者が株式代金を獲得
第三者割当増資他企業や投資家に出資を受け、資本を強化
LBO（レバレッジド・バイアウト）融資を活用して買収を行い、将来的にその資金を返済
企業分割＋売却一部の事業を分社化し、独立後に売却して資金化

それぞれの方法には、資金の性質（返済の有無、所有権の移転など）が異なるため、自社の状況に応じて選択する必要があります。

3. M&Aプロセスと注意点

M&Aによる資金調達は、計画的に進めることが成功の鍵です。

手順の概要

  1. 目的の整理（資金調達か、事業承継か、リストラか）
  2. 売却対象の明確化（事業か株式か）
  3. 評価・バリュエーション（譲渡価格の妥当性を把握）
  4. 相手先探しと交渉（仲介会社や士業と連携）
  5. デューデリジェンス（調査）
  6. 契約とクロージング

注意点

  • 売却対象の帳簿整備・財務透明性の確保が必須
  • 譲渡後の従業員・取引先との関係維持にも配慮
  • 契約書の内容は専門家のチェックが必須

4. 地域の公的支援制度と活用法

葛飾区・江戸川区・墨田区・足立区では、事業承継・M&Aに関する相談窓口や支援制度が整っています。

区名支援内容
葛飾区商工会議所による事業承継マッチング支援、専門家相談あり
江戸川区ビジネス支援センターにて事業承継相談員を常駐配置
墨田区中小企業サポートセンターにてM&A計画策定支援を実施
足立区「あだち産業プラン」で承継・売却相談に対応、補助制度も用意

また、日本政策金融公庫では、M&A・事業承継向けの専用融資制度（承継資金・買収資金）も提供されており、自己資金とあわせて利用可能です。

まとめ

M&Aは、事業を売却・統合するだけではなく、中小企業にとって「戦略的な資金調達手段」にもなり得ます。
特に葛飾・江戸川・墨田・足立区といった地域では、公的支援機関との連携によって、安心して進められる環境が整っています。
まずは、自社の目的や状況を整理した上で、信頼できる専門家や支援窓口に相談してみましょう。

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