BCP実践促進助成金|“もしも”の備えを後回しにしない会社が、結局いちばん強い

📋 地震、浸水、停電、感染症。何かが起きてから「やっておけばよかった」と思っても、現場は待ってくれません。東京都中小企業振興公社のBCP実践促進助成金は、策定したBCPを“絵に描いた計画”で終わらせず、実際に使える備えへ変えるための制度です。発電機やポータブル電源、備蓄品、止水板、転倒防止装置、安否確認システム、データバックアップ、さらには基幹システムのクラウド化まで、実務に直結する物品・設備等の導入費用の一部が助成されます。単独型なら上限500万円、連携型なら上限1,000万円。BCPは“いい話”ではなく、“会社を止めないための現実的な投資”です。

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目次

BCP実践促進助成金とは何か
どんな会社が使えるのか
何に使えるのか
向いている会社と見送りたい会社
申請時期と注意点
よくある質問
今日やるべき3つ

1. BCP実践促進助成金とは何か

「BCPは作ったけれど、実際の備えまでは進んでいない」
そんな会社は少なくありません。計画書があっても、停電時の電源がない。浸水対策がない。データのバックアップが弱い。これでは、本当に何か起きたときに事業は止まります。

この助成金は、そうした“計画止まり”を防ぐための制度です。公社の案内では、本事業は中小企業者等が策定したBCPを実践するために必要な基本的な物品・設備等の導入費用の一部を助成し、BCPの実践を促進するものとされています。さらに、防災力を強化するための基幹システムのクラウド化も助成対象に含まれています。つまり、「備蓄だけ」でもなければ、「システムだけ」でもありません。現場と情報の両方を守る制度です。

ここが大事です。BCPは、災害対策のためだけのものではありません。実際には、納期を守る力、顧客の信頼を守る力、従業員を守る力に直結します。平時には見えにくいですが、何かが起きたときに会社の差が一気に出ます。だからこそ、後回しにされがちなこのテーマに、今お金がつく意味はとても大きいです。

2. どんな会社が使えるのか

この助成金には、大きく単独型連携型があります。単独型は1事業者で使う型、連携型は複数事業者で共用する型です。単独型の主な要件は、公社が実施するBCP策定支援事業による支援を受けていること、または中小企業庁の事業継続力強化計画の認定を受けていることです。連携型は連携事業継続力強化計画の認定が必要です。いずれも、BCPの作成が必要になります。

つまり、「まだBCPに一切手をつけていない」という会社は、まず前提条件を整える必要があります。一方で、すでにBCPを作っている、または事業継続力強化計画の認定を取っている会社にとっては、かなり実務に落とし込みやすい制度です。葛飾区や江戸川区でも、製造、物流、建設、福祉、店舗ビジネスなど、“現場が止まるとそのまま売上が止まる”業種ほど相性がいいです。

なお、公社ページでは、特定非営利活動法人、財団法人、社団法人、学校法人、宗教法人、社会福祉法人、医療法人、政治・経済団体は対象外と明記されています。ここは見落としやすいので注意が必要です。

3. 何に使えるのか

助成対象経費として、かなり実務的な項目が並んでいます。具体的には次のようなものです。

  • 従業員用の備蓄品
  • 発電機、ポータブル電源
  • 安否確認システム
  • 感染症対策の物品
  • 土のう、止水板
  • 転倒防止装置等
  • データバックアップ専用のサーバー(NAS)、クラウドサービスによるデータのバックアップ
  • 基幹システムのクラウド化
  • 耐震診断 等

ここで良いのは、単なる“防災グッズ補助金”ではないことです。
たとえば、現場で本当に困るのは、飲料水がないことだけではありません。停電で受発注が止まる。基幹システムが落ちる。社員と連絡が取れない。浸水で設備が使えない。そうした“止まるポイント”に対してお金を使えるのが、この制度の強みです。

助成率は、単独型では中小企業者が2分の1以内、小規模企業者が3分の2以内。助成限度額は500万円で、申請下限額は10万円です。基幹システムのクラウド化の助成上限額150万円は、この500万円の中に含まれます。連携型は中小企業者が2分の1以内、助成限度額は1,000万円で、クラウド化の上限300万円が含まれます。

つまり、小規模企業者にとってはかなり使いやすく、複数社で共用する形なら金額も大きくなります。防災対策を“気合い”で済ませるのではなく、制度を使って形にしやすい設計です。

4. 向いている会社と見送りたい会社

向いている会社

まず向いているのは、止まると困るポイントがはっきりしている会社です。

たとえば、

  • 停電で設備も受注も止まる製造業
  • 浸水や停電が営業停止に直結する店舗・サービス業
  • データ消失が致命傷になる士業・IT・事務系事業
  • 社員の安否確認や連絡体制が弱い企業
  • 取引先からBCP対応を求められ始めている会社

こうした会社は、「何を買うか」より前に、「何が止まると困るか」が見えています。制度は、その困るポイントに対してお金をつけるものなので、申請の筋が通りやすいです。

見送りたい会社

逆に、見送りや再整理をした方が良いのは、BCPの前提が整っていない会社です。
この制度は、思いつきで防災用品を買うためのものではありません。BCP策定支援や事業継続力強化計画の認定など、前提条件があります。そこがないまま急いでも、入口で止まりやすいです。

また、「とりあえず使えそうだから何か買いたい」という発想も危険です。大事なのは、自社の事業継続にとって何が必要かです。備蓄品より電源の方が先かもしれない。クラウド化の方が先かもしれない。止水板よりもデータバックアップの方が先かもしれない。この優先順位を間違えると、せっかく助成金を使っても“安心感だけで終わる投資”になりやすいです。

5. 申請時期と注意点

令和8年度の募集予定として、公社ページでは第1回の申請期間が5月13日9時から5月19日17時と案内されています。加えて、第2回は9月9日から9月15日、第3回は令和9年1月8日から1月15日です。交付決定時期と助成対象期間も回ごとに決まっており、第1回の交付決定は令和8年7月下旬、助成対象期間は令和8年8月1日から11月30日です。

ここで絶対に気をつけたいのは、発注・契約・実施(購入)・支払(決済)を助成対象期間内に行う必要があることです。つまり、「先に買っておいたから後で申請」は基本的に通りません。防災系は“急いで買いたい”気持ちが出やすいですが、制度に合わせた順番が大事です。

また、申請はJグランツによる電子申請のみで、持参、郵送、メール等では受け付けていません。さらに、Jグランツ利用にはGビズIDプライムが必要で、取得には2〜3週間程度かかると案内されています。ここを甘く見ると、制度内容より先に申請手続きで詰まります。

6. よくある質問

Q1. BCPをまだ作っていません。申請できますか?

A1. そのままでは難しいです。単独型では、公社のBCP策定支援事業による支援、または事業継続力強化計画の認定などが前提です。まずはそこから整える必要があります。

Q2. 何に使うのが一番おすすめですか?

A2. 一番大切なのは、“自社が止まるポイント”に合わせることです。停電、浸水、データ消失、連絡不能のどれが最も痛いかで優先順位は変わります。制度上は、発電機、ポータブル電源、止水板、安否確認システム、バックアップ、クラウド化など幅広く対象です。

Q3. 小規模企業者は有利ですか?

A3. 単独型では、小規模企業者は助成率が3分の2以内で、中小企業者より高く設定されています。

Q4. 紙申請はできますか?

A4. できません。Jグランツによる電子申請のみです。

7. 今日やるべき3つ

今日①:自社が“何で止まるか”を3つ書き出す

停電か、浸水か、データか、連絡体制か。ここを曖昧にしたまま制度を見ると、選ぶべき対策がぼやけます。

今日②:BCPの前提条件を確認する

公社のBCP策定支援を使うのか、事業継続力強化計画の認定があるのか。まず入口を確認しましょう。

今日③:GビズIDプライムの有無を確認する

申請は電子のみです。まだなら、ここを後回しにしないことです。

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