新事業進出・ものづくり補助金の対象者とは|誰が申請できるのかを整理
この記事でわかること
新事業進出・ものづくり補助金について、誰が申請できるのか、逆にどんな事業者は対象外なのかを整理します。中小企業者の範囲、NPOや農事組合法人の扱い、従業員数やみなし大企業の注意点まで、申請前に確認したいポイントをまとめています。
この補助金では、事業内容だけでなく、そもそも申請者が補助対象者に当てはまるかが前提条件です。
ここを後回しにすると、事業計画をかなり作り込んでから「実は対象外だった」と気づくことがあります。特に、法人格の種類、従業員数、株主構成、過去の補助金採択歴などは、見落としやすい論点です。
この記事では、対象者の全体像をシンプルに整理しながら、実務でつまずきやすいポイントまで分かりやすく解説します。
目次
- 補助対象者の全体像
- 中小企業者に当てはまるケース
- 小規模企業者・小規模事業者の考え方
- NPO・農事組合法人は申請できるのか
- 対象外になりやすい事業者
- 業種別にどこを見ればよいか
- 当社ができる支援
- よくある質問
補助対象者の全体像
まず大前提として、この補助金の補助対象者は、日本国内に本社及び補助事業実施場所を有することが必要です。
そのうえで、補助対象者は大きく次の6区分に整理されています。
- 中小企業者
- 小規模企業者・小規模事業者
- 特定事業者の一部
- 特定非営利活動法人
- 農事組合法人
- 対象リース会社
つまり、一般的な会社や個人事業主だけでなく、一定の要件を満たすNPOや農事組合法人も対象に入る可能性があります。一方で、法人格があるからといって何でも対象になるわけではありません。
ここが重要
対象者の判断は、「会社かどうか」ではなく、「どの区分に当てはまり、対象外要件に引っかからないか」で見ます。
中小企業者に当てはまるケース
もっとも基本になるのが、中小企業者として申請するケースです。これは、会社または個人事業主で、業種ごとの資本金または常勤従業員数が基準以下であることが必要です。
| 業種 | 資本金 | 常勤従業員数 |
|---|---|---|
| 製造業・建設業・運輸業 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
| 小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
| ソフトウェア業・情報処理サービス業 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 旅館業 | 5,000万円以下 | 200人以下 |
| その他の業種 | 3億円以下 | 300人以下 |
また、企業組合、協業組合、事業協同組合、商工組合、商店街振興組合など、一定の組合や連合会も対象に含まれます。
一方で、一般・公益財団法人、一般・公益社団法人、医療法人、人格のない任意団体は、この中小企業者区分では対象外です。
小規模企業者・小規模事業者の考え方
小規模企業者・小規模事業者は、中小企業者の中でもさらに従業員規模が小さい区分です。特に、革新的新製品・サービス枠では補助率が有利になるため、自社がここに当てはまるかは重要です。
| 業種 | 常勤従業員数 |
|---|---|
| 製造業 | 20人以下 |
| 商業・サービス業 | 5人以下 |
| 宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
| その他の業種 | 20人以下 |
ただし、採択後から交付決定まで、あるいは交付決定後から補助事業完了までの間に小規模事業者の定義から外れると、革新的新製品・サービス枠での補助率が変わる可能性があります。ですので、申請時点だけでなく、補助事業期間中の従業員数にも注意が必要です。
NPO・農事組合法人は申請できるのか
はい、一定の条件を満たせば申請できます。
特定非営利活動法人(NPO法人)
NPO法人は、次の要件をすべて満たす必要があります。
- 広く中小企業一般の振興・発展に直結し得る活動を行うこと
- 従業員数が300人以下であること
- 法人税法上の収益事業を行っていること
- 認定特定非営利活動法人ではないこと
- 交付申請時までに経営力向上計画の認定を受けていること
農事組合法人
農事組合法人も、一定の条件を満たせば対象です。主な要件は、農業協同組合法に基づいて設立されていること、従業員数が300人以下であること、法人税法上の収益事業を行っていることです。
つまり、NPOや農事組合法人は一律対象外ではありませんが、一般の株式会社より確認事項が多いです。早めに整理した方が安全です。
実務のポイント
NPO法人は、認定NPO法人は対象外であること、さらに経営力向上計画の認定まで必要になる点が見落としやすいです。
対象外になりやすい事業者
補助対象区分に入っていても、対象外要件に引っかかると申請できません。特に注意したいのは次のようなケースです。
- 従業員数が0名の事業者
- 新規設立・創業後1年未満の事業者(新事業進出枠)
- みなし大企業
- 一定期間内に事業再構築補助金、新事業進出補助金、ものづくり補助金、新事業進出・ものづくり補助金で採択・交付決定を受けている事業者
- 過去補助金で取消・未返還・未提出などの問題が残っている事業者
特に「申請できそうに見えるが実は対象外」という意味で注意したいのが、みなし大企業です。たとえば、大企業が株式の過半数を保有している、3分の2以上を保有している、大企業の役員や職員を兼ねる者が役員総数の半分以上を占める、といったケースは対象外になり得ます。
業種別にどこを見ればよいか
実務上は、まず自社が次のどこに当てはまるかを見ると整理しやすいです。
| 確認ポイント | 見るべきこと |
|---|---|
| 会社・個人事業主 | 業種別の資本金・常勤従業員数基準 |
| 小規模事業者 | 常勤従業員数基準 |
| NPO法人 | 収益事業、認定NPO該当性、経営力向上計画 |
| 農事組合法人 | 収益事業の有無、従業員数 |
| 全事業者共通 | 従業員0名でないか、みなし大企業でないか、過去補助金との関係 |
つまり、対象者確認は「うちは株式会社だから大丈夫」で終わりません。業種・規模・法人格・資本関係・過去採択歴まで見て、ようやく判断できます。
当社ができる支援
対象者の確認で難しいのは、制度を読むことより、自社がどの区分に当てはまるかを実務的に整理することです。
当社では、
- 対象区分の整理
- 業種・従業員数・資本金の確認
- NPO法人・農事組合法人の要件確認
- みなし大企業該当性の確認
- 過去補助金との関係整理
まで含めて伴走しています。
「うちがそもそも対象なのか不安」
「法人格が少し特殊で、自分では判断しづらい」
「計画を作る前に対象確認を済ませたい」
そんな場合は、早めに整理する方が無駄がありません。
よくある質問
Q1. 個人事業主でも申請できますか?
A. はい。業種ごとの資本金・常勤従業員数の考え方の中で、会社または個人として対象になる場合があります。
Q2. 医療法人は対象ですか?
A. 中小企業者区分では対象外です。医療法人は公募要領上、補助対象外として明記されています。
Q3. NPO法人は対象ですか?
A. 一定の要件を満たせば対象です。収益事業、従業員数、認定NPOでないこと、経営力向上計画などの条件を確認する必要があります。
Q4. 従業員がいない会社でも申請できますか?
A. いいえ。応募申請時点で従業員数が0名の事業者は対象外です。
まとめ
新事業進出・ものづくり補助金の対象者確認で大切なのは、
- どの対象区分に当てはまるかを確認すること
- 業種・資本金・従業員数を確認すること
- NPOや農事組合法人は追加条件まで見ること
- みなし大企業や過去補助金の扱いも確認すること
この4つです。
まずは、「法人格」「業種」「従業員数」「資本関係」を並べて確認するところから始めるのがおすすめです。
この段階で説明が曖昧だと、補助金申請の中身にも同じ曖昧さが残りやすいです。
どんな会社ほど早めに相談すべきか
特に、次のような会社は早めに金融機関との調整を始めた方が安全です。
- 投資額が大きい会社
- 建物費を含む会社
- 複数の見積や資金調達パターンがある会社
- 新規性・新市場性の説明がまだ固まっていない会社
- 補助金が入る前の資金繰りに不安がある会社
この補助金は後払いが前提なので、採択されたとしても、先に支払いが必要になる場面があります。だからこそ、「補助金が出るから大丈夫」ではなく、「補助金が出るまでどう回すか」を整理しておく必要があります。
当社ができる支援
金融機関確認書で本当に難しいのは、書類の存在そのものより、資金計画をどう整理して金融機関へ伝えるかです。
当社では、
- 金融機関確認書の要否整理
- 自己資金と借入の組み方の整理
- 金融機関へ説明するための事業計画・資金計画の整理
- 補助金入金前の資金繰りの確認
- 他の申請準備項目との優先順位整理
まで含めて伴走しています。
「自己資金だけで本当に不要か確認したい」
「金融機関にどう説明すればいいか分からない」
「借入を組み合わせるべきか迷っている」
そんな場合は、早めに整理する方がスムーズです。
よくある質問
Q1. 自己資金だけでやるなら、金融機関確認書は不要ですか?
A. はい。金融機関等から資金提供を受けず、自己資金のみで補助事業を実施する場合は提出不要です。
Q2. 一部だけ借入を使う場合でも必要ですか?
A. はい。補助事業の実施資金に金融機関等からの資金提供が入る場合は必要です。
Q3. 複数の金融機関から借りる場合、全部から確認書が必要ですか?
A. いいえ。資金提供元のうち任意の1者からの確認書で要件を満たします。
Q4. 地元の金融機関でないとだめですか?
A. いいえ。金融機関等は事業所の所在地域にある必要はありません。
まとめ
金融機関確認書で大切なのは、
- 金融機関等から資金提供を受けるなら必要
- 自己資金のみなら不要
- 複数の金融機関があっても任意の1者で足りる
- 単なる書類ではなく資金計画の整理が必要
この4つです。
まずは、「今回の補助事業を、自己資金だけで進めるのか、それとも借入を組み合わせるのか」を明確にするところから始めるのがおすすめです。

