新事業進出・ものづくり補助金 広告宣伝・販売促進費は使えるか|対象になるケースとならないケース
この記事でわかること
新事業進出・ものづくり補助金でよく質問が多い広告宣伝・販売促進費について、どんな場合に対象になりやすいのか、逆にどんな費用は対象外になりやすいのか、申請時にどう考えるべきかを整理します。補助金で集客や販促まで進めたい事業者向けに、実務で迷いやすいポイントを分かりやすくまとめた記事です。
新事業進出・ものづくり補助金では、設備や建物に目が向きやすいですが、実際には売るための準備も重要です。どれだけ良い製品やサービスを作っても、知られなければ売上にはつながりません。
そのため、この補助金では広告宣伝・販売促進費も補助対象経費に入っています。ただし、何でも広告費なら通るわけではありません。補助金の世界では、補助事業に必要な販促かどうか、内容と金額に妥当性があるかがかなり大事です。
この記事では、広告宣伝・販売促進費の考え方を整理しながら、「ここは入りやすい」「ここは危ない」という線引きを実務目線でまとめます。
目次
- 広告宣伝・販売促進費はどの枠で使えるか
- 広告宣伝・販売促進費として対象になりやすいもの
- 対象外になりやすいもの
- どんな業種で使いやすいか
- 申請時に気をつけたいポイント
- 当社ができる支援
- よくある質問
広告宣伝・販売促進費はどの枠で使えるか
まず前提として、広告宣伝・販売促進費は、革新的新製品・サービス枠、新事業進出枠、グローバル枠の3枠すべてで補助対象経費に含まれています。
つまり、広告宣伝・販売促進費は特定の枠だけの特別経費ではありません。新しい製品・サービスの開発でも、新市場への進出でも、海外展開でも、販路をつくるための取組として位置づけられています。
ただし、ここで誤解しやすいのは、「使える」ことと「何でも認められる」ことは別だという点です。応募時に計上した経費がそのまま全て補助対象になるとは限らず、交付申請時の精査で見直される可能性があります。
広告宣伝・販売促進費として対象になりやすいもの
この経費区分で大切なのは、補助事業で新たに作る製品・サービス・事業の販売促進に必要かどうかです。
実務上、比較的整理しやすいのは次のようなものです。
- 新商品・新サービスのPRに使う販促物
- 新事業専用のパンフレット、チラシ、カタログの制作
- 新事業の立ち上げに伴う広告出稿
- 販路開拓に必要なプロモーション施策
- 新商品・新サービスの認知拡大を目的とした販売促進活動
要するに、「新しい補助事業を売るために必要な広告・販促」として説明できるものは、対象になりやすいです。
反対に、既存事業の通常営業で毎年やっている販促や、補助事業との関係が弱い広告は、整理が難しくなります。
ここが重要
広告宣伝・販売促進費は、「会社の知名度を上げるため」ではなく、「補助事業で立ち上げる新しい売り物を売るため」として説明できる方が強いです。
対象外になりやすいもの
広告宣伝・販売促進費で特に注意したいのは、広告という名前がついていても対象外になるものがあることです。
公式FAQで明確に示されているのが、求人広告は補助対象外という点です。つまり、人材採用のための広告は、この経費区分には入りません。
また、実務上は次のようなものも慎重に考える必要があります。
- 補助事業と直接関係しない会社全体のブランディング広告
- 既存事業の通常販促と区別がつかない広告
- 内容や金額の妥当性を説明しにくい販促費
- 交付決定前に発注・契約・支払いをした広告費
補助金では、必要性と金額の妥当性を証拠書類で確認できることが前提です。ですので、何となく「販促だから入れたい」という考え方では弱いです。
| 費用の例 | 対象になりやすさ | 考え方 |
|---|---|---|
| 新商品専用のチラシ制作 | 高い | 補助事業との関係が明確 |
| 新サービスの広告出稿 | 高い | 新規事業の販路開拓として説明しやすい |
| 会社全体の知名度向上広告 | 低い | 補助事業との結びつきが弱い |
| 求人広告 | 対象外 | FAQで明示的に対象外 |
どんな業種で使いやすいか
広告宣伝・販売促進費は、幅広い業種で使いやすい経費です。特に、新しい売り方や新しい顧客層への接点づくりが必要な事業と相性がよいです。
たとえば、次のようなケースは比較的整理しやすいです。
- 製造業が新製品を新市場へ売るための販促を行う
- 食品業が新ブランドや新商品を個人顧客向けに展開する
- サービス業が新サービスを新たな顧客層へ訴求する
- 小売・卸売業が自社ブランドや新販路向け商品を拡販する
- グローバル枠で海外向け展開にあわせた販促を行う
逆に、すでにある商品やサービスを、いつも通り売るための販促だと弱くなりやすいです。広告宣伝・販売促進費も、結局は新製品・新サービス・新市場との関係が大事です。
申請時に気をつけたいポイント
広告宣伝・販売促進費を計上する場合、申請時は次の点に注意した方が安全です。
1.何を売るための費用かを明確にする
新しい製品なのか、新しいサービスなのか、新しい市場なのかを明確にします。広告費だけが浮かないように、補助事業の中に位置づけることが重要です。
2.既存事業の販促と混ぜない
既存事業の通常販促と、新事業の販促が混ざると説明が弱くなります。できるだけ区分を明確にした方が安全です。
3.求人広告は入れない
人材確保も大事ですが、この補助金の広告宣伝・販売促進費としては整理できません。ここははっきり切り分けた方がよいです。
4.交付決定前に発注しない
広告費も他の経費と同じで、交付決定前の契約・発注・支払いは補助対象外になります。公開時期や出稿時期との調整が必要です。
5.金額の妥当性を説明できるようにする
広告宣伝費は設備費に比べて「なぜこの金額なのか」が曖昧になりやすいです。見積や媒体の説明など、妥当性を示せる形にしておくと安心です。
よくある失敗
広告宣伝・販売促進費だけが先に膨らんで、「何を売るための販促か」が弱いケースです。広告は単独で評価されるのではなく、補助事業全体の中で見られます。
当社ができる支援
広告宣伝・販売促進費で難しいのは、対象経費の一覧を読むことより、「この販促が補助事業に必要だ」と伝わる形に整理することです。
当社では、
- 広告宣伝・販売促進費の対象可否整理
- 既存事業の販促との切り分け
- 補助事業との一体性の整理
- 見積・金額妥当性の整理
- 交付申請まで見据えた伴走
まで含めてサポートしています。
「この広告費が対象になるか不安」
「求人広告がだめなら何が入るのか分からない」
「販促費を入れたいが、どう説明すれば弱くならないか迷う」
そんな場合は、早めに整理する方が安全です。
よくある質問
Q1. 広告宣伝・販売促進費はどの枠でも使えますか?
A. はい。3枠すべてで補助対象経費に含まれています。
Q2. 求人広告は対象ですか?
A. いいえ。求人広告は補助対象外です。
Q3. 会社全体の知名度を上げる広告も入れられますか?
A. 補助事業との関係が弱いと整理が難しいです。新製品・新サービス・新市場に向けた販促として説明できる方が安全です。
Q4. 応募時に入れた広告費はそのまま全部通りますか?
A. そうとは限りません。応募時に計上した経費がすべて補助対象として認められるわけではありません。
まとめ
広告宣伝・販売促進費で大切なのは、
- 3枠すべてで使える経費であること
- 新しい補助事業を売るための販促として説明すること
- 求人広告は対象外だと切り分けること
- 必要性と金額の妥当性を示せるようにすること
この4つです。
まずは、「何を売るための販促か」「既存事業の販促と分けられるか」「求人広告が混ざっていないか」を整理するところから始めるのがおすすめです。

