資金調達83📋 中東情勢関連融資|保証料補助が拡充された今、原価高の資金繰りを立て直す
📋 原材料費、燃料費、輸送費が上がっているのに、販売価格へすぐ転嫁できない。こうした悩みは、売上が大きく落ちていなくても資金繰りを苦しくします。特にBtoB取引では、価格改定の交渉に数か月かかることも多く、先に支払いだけが増えるため、黒字でも手元資金が減ります。
本記事では、東京都が2026年6月25日から受付を開始した「経営一般(中東情勢関連)」の拡充を中心に、運転資金・設備資金の考え方、信用保証料補助の使い方、金融機関に相談する際の資料を整理します。東京都は、中東情勢の影響を受ける都内中小企業者等の資金繰り支援として、売上減少等の数値要件を満たす事業者への信用保証料補助を最大4分の3に拡充しています。
葛飾区や江戸川区でも、製造業、建設業、運送業、卸売業、飲食業など、仕入価格や輸送費の上昇をすぐ価格転嫁できない事業者は少なくありません。資金繰りを守るには、「借りられるか」より先に「いつ、いくら足りなくなるか」を見える化することが大切です。
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📋 目次
📋 1. 経営一般(中東情勢関連)とは
📋 2. 対象になる会社と数値要件
📋 3. 融資条件と保証料補助
📋 4. どの資金需要に使いやすいか
📋 5. 金融機関に出す資金繰り表
📋 6. よくある失敗と回避策
📋 7. 今日できる3つ
📋 ## 1. 経営一般(中東情勢関連)とは
不安を感じたら、まずは影響を受けた費目を分けてみましょう。
この制度は、中東情勢により事業活動に影響が生じている都内中小企業者等が利用できる東京都中小企業制度融資の一つです。東京都は、東京都・東京信用保証協会・金融機関の三者協調により、都内中小企業者が金融機関から融資を受けやすくする制度融資を設けています。
中東情勢関連の制度で重要なのは、「売上が大幅に落ちていないと使えない」と決めつけないことです。東京都の発表では、売上減少等の数値要件なしでの申込が可能であり、さらに一定の数値要件を満たす場合には信用保証料補助が拡充されると説明されています。
つまり、売上減少だけでなく、売上原価、原油等の仕入価格、営業利益率への影響を見て相談する余地があります。
📋 ## 2. 対象になる会社と数値要件
ここまでできたら、もう半分は整いました。次は数字で確認しましょう。
東京都の発表では、対象は中東情勢の変化により事業活動に影響が生じている中小企業者または組合で、最近3か月間の売上実績または売上見込が前年同期比で減少していること、または追加の数値要件を満たすことが示されています。追加の数値要件には、売上減少5%以上、売上高営業利益率20%以上減少、売上原価の20%以上を占める原油等の仕入価格が20%以上上昇し価格転嫁できていないことが含まれます。
確認すべき数字は次の4つです。
| 確認項目 | 見る資料 | ポイント |
|---|---|---|
| 売上減少 | 月次試算表・売上台帳 | 最近3か月と前年同期を比較 |
| 営業利益率 | 試算表 | 原価高で利益率が落ちていないか |
| 原油等仕入価格 | 仕入請求書・単価表 | 20%以上上昇の有無 |
| 価格転嫁状況 | 見積・請求・契約 | 価格改定が反映されているか |
「燃料費が上がった気がする」ではなく、「月80万円だった燃料費が月110万円になった」「仕入単価が1kgあたり300円から380円になった」のように金額で示します。
📋 ## 3. 融資条件と保証料補助
迷ったら、融資限度額ではなく「返せる金額」を先に見ましょう。
経営一般(中東情勢関連)の融資条件として、融資利率は2.15%以内から2.85%以内、融資限度額は2億8,000万円、組合は4億8,000万円、資金使途は運転資金・設備資金、融資期間は10年以内、据置期間2年以内を含むとされています。
信用保証料補助は、通常の該当条件では全事業者2分の1補助、拡充後の追加数値要件を満たす場合は小規模企業者4分の3、中小企業3分の2です。
| 項目 | 内容 |
| 融資限度 | 2億8,000万円(組合4億8,000万円) |
| 資金使途 | 運転資金・設備資金 |
| 融資期間 | 10年以内(据置2年以内含む) |
| 保証料補助 | 2分の1、条件により3分の2または4分の3 |
保証料補助は資金調達コストを下げる重要な要素です。ただし、保証料が補助されるからといって、必要以上に借りるのは危険です。借入は返済が始まります。借りる前に、価格転嫁、原価管理、粗利改善の見通しを合わせて作ります。
📋 ## 4. どの資金需要に使いやすいか
ここは「一時的な谷」なのか「構造的な赤字」なのかを分けましょう。
使いやすい資金需要は次のとおりです。
・原材料費上昇による仕入資金の増加
・燃料費や輸送費の増加
・価格転嫁までの数か月の運転資金
・代替仕入先確保のための在庫積み増し
・原価上昇に対応する設備投資
・省エネ設備、効率化設備への投資
一方で、毎月赤字が続き、借入を入れても資金不足が解消しない場合は、単なる追加融資ではなく、借換、返済条件変更、固定費削減、価格改定、事業再生計画を合わせて考える必要があります。
📋 ## 5. 金融機関に出す資金繰り表
資料は厚くするより、まず1枚で十分です。
| 月 | 入金 | 支出 | 原価増加分 | 月末残高 | コメント |
| 8月 | 1,200万円 | 1,450万円 | 120万円 | 250万円 | 仕入高騰 |
| 9月 | 1,250万円 | 1,600万円 | 150万円 | ▲100万円 | 最大不足 |
| 10月 | 1,400万円 | 1,500万円 | 130万円 | ▲200万円 | 価格改定前 |
| 11月 | 1,550万円 | 1,430万円 | 100万円 | ▲80万円 | 改定反映 |
| 12月 | 1,600万円 | 1,420万円 | 90万円 | 100万円 | 回復 |
| 1月 | 1,650万円 | 1,430万円 | 80万円 | 320万円 | 返済余力 |
この表で、最大不足額が9月から10月にかけて200万円程度なら、300万円から500万円の短期運転資金で足りる可能性があります。反対に、最大不足額が2,000万円を超えるなら、資金使途と返済原資をより丁寧に示す必要があります。
📋 ## 6. よくある失敗と回避策
Q1. 売上が減っていないと相談できない?
A1. 売上減少だけでなく、営業利益率や原油等仕入価格の上昇、価格転嫁の有無も確認対象になります。まずは金融機関に資料を持って相談しましょう。
Q2. いくら借りるべき?
A2. 最大不足額+安全余裕で考えます。制度上の上限ではなく、自社の資金の谷から逆算してください。
Q3. 借りた後にやるべきことは?
A3. 価格改定、仕入先見直し、在庫圧縮、粗利管理を同時に進めます。資金は時間を買う手段であり、利益改善の代わりにはなりません。
📋 ## 7. 今日できる3つ
今日①:原材料費、燃料費、輸送費の上昇額を3か月分で比較する
今日②:6か月資金繰り表で最大不足月を確認する
今日③:金融機関へ「中東情勢関連融資」として相談予約を入れる
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