新事業進出・ものづくり補助金の補助率と補助上限|3枠ごとに分かりやすく整理

この記事でわかること

新事業進出・ものづくり補助金の補助率補助上限について、3枠の違い自社がどこを見るべきか自己負担の考え方を分かりやすく整理します。制度を見たときに「結局いくらまで使えるのか」「どの枠が自社に合うのか」で迷う方向けの記事です。

新事業進出・ものづくり補助金を検討するとき、多くの方が最初に気になるのは、結局いくら補助されるのかだと思います。

ただ、ここで注意したいのは、補助金は補助率だけ見ても判断しにくいということです。なぜなら、実際には補助上限従業員数区分どの枠で申請するか、そして賃上げ特例が使えるかによって、使い勝手がかなり変わるからです。

たとえば、補助率が高く見えても、そもそも自社の投資額に対して上限が低ければ足りません。逆に、上限が大きくても補助率が低ければ自己負担は重くなります。

この記事では、3枠の補助率と補助上限を整理しながら、実務でどう見ればよいかをまとめます。

目次

  • まず押さえたい3枠の全体像
  • 革新的新製品・サービス枠の補助率と補助上限
  • 新事業進出枠の補助率と補助上限
  • グローバル枠の補助率と補助上限
  • 補助率と補助上限はどちらを重視すべきか
  • 3つのケースで見る考え方
  • 申請時に気をつけたいポイント
  • 当社ができる支援
  • よくある質問

まず押さえたい3枠の全体像

この補助金には、次の3枠があります。

  • 革新的新製品・サービス枠
  • 新事業進出枠
  • グローバル枠

それぞれ、補助率と補助上限の考え方が違います。まずは全体を表で見ると整理しやすいです。

補助率基本補助上限補助下限
革新的新製品・サービス枠中小企業者1/2、小規模企業・小規模事業者・再生事業者2/3750万円〜2,500万円100万円
新事業進出枠中小企業者1/22,500万円〜7,000万円750万円
グローバル枠中小企業者2/32,500万円〜7,000万円750万円

ここで分かるのは、革新的新製品・サービス枠は比較的小さめの投資向け新事業進出枠とグローバル枠は大きめの投資に向きやすいということです。

ここが重要

補助金は、「補助率が高い枠が一番良い」わけではありません。 投資額、事業内容、従業員数まで含めて見ないと判断を誤りやすいです。

革新的新製品・サービス枠の補助率と補助上限

革新的新製品・サービス枠は、革新的な新製品・新サービス開発の取組を支援する枠です。補助上限は従業員数によって次のように分かれています。

従業員数基本補助上限賃上げ特例適用時
1〜5人750万円850万円
6〜20人1,000万円1,250万円
21〜50人1,500万円2,500万円
51人以上2,500万円3,500万円

補助率は、中小企業者が1/2小規模企業・小規模事業者や再生事業者は2/3です。

この枠は、投資規模としては新事業進出枠より小さめですが、小規模企業や再生事業者にとっては補助率2/3が魅力です。反対に、大きな設備投資を前提にすると、上限で足りなくなることがあります。

新事業進出枠の補助率と補助上限

新事業進出枠は、既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出を支援する枠です。補助上限は次の通りです。

従業員数基本補助上限賃上げ特例適用時
1〜20人2,500万円3,000万円
21〜50人4,000万円5,000万円
51〜100人5,500万円7,000万円
101人以上7,000万円9,000万円

補助率は中小企業者1/2です。一定条件を満たす場合は、補助率が引き上がる余地があります。

この枠の特徴は、補助上限が大きいことです。新市場向けの設備投資、建物投資、システム投資など、まとまった額になりやすい計画と相性がよいです。一方で、補助率自体は1/2なので、自己負担額は小さくありません。

グローバル枠の補助率と補助上限

グローバル枠は、海外市場開拓に向けた国内の輸出体制強化を支援する枠です。補助上限は新事業進出枠と同じです。

従業員数基本補助上限賃上げ特例適用時
1〜20人2,500万円3,000万円
21〜50人4,000万円5,000万円
51〜100人5,500万円7,000万円
101人以上7,000万円9,000万円

補助率は中小企業者2/3です。

つまり、新事業進出枠と同じ上限で、補助率はグローバル枠の方が高いのが特徴です。海外展開の要件に合うなら、金額面ではかなり魅力があります。ただし、当然ながら「海外市場開拓(輸出)」という枠の趣旨に合っていることが前提です。

補助率と補助上限はどちらを重視すべきか

実務では、この質問がとても多いです。結論からいうと、投資額によって見るべきポイントが変わります。

小さめの投資であれば、補助率の差が効きやすいです。反対に、大きな投資では補助上限にぶつかりやすいので、補助率だけ見ても意味が薄くなることがあります。

見るべき場面重視するポイント理由
投資額が比較的小さい補助率自己負担差が見えやすい
投資額が大きい補助上限上限で頭打ちになりやすい
海外展開を含む補助率と枠適合性グローバル枠の優位性が大きい

つまり、「補助率が高いから得」ではなく、「自社の投資額に対して、どこで頭打ちになるか」を見る方が実務的です。

判断のコツ

補助金は、補助率補助上限をセットで見ないと、実際の自己負担額を読み違えやすいです。

3つのケースで見る考え方

数字だけだと分かりにくいので、3つの例で見てみます。

ケース想定見方
ケース1従業員5人、投資額1,200万円、新製品開発革新的新製品・サービス枠が比較しやすい。小規模事業者なら補助率2/3の恩恵が大きい。
ケース2従業員30人、投資額6,000万円、新市場進出新事業進出枠の上限4,000万円が重要。補助率だけでなく上限の影響を見るべき。
ケース3従業員20人、投資額4,000万円、輸出強化グローバル枠に合えば補助率2/3が効きやすい。新事業進出枠より金額面で有利になりやすい。

このように、同じ投資額でも、どの枠に合うかで自己負担感はかなり変わります。

申請時に気をつけたいポイント

補助率と補助上限を見るときは、次の点に注意した方が安全です。

1.上限だけで予算を組まない

補助上限まで必ず認められるわけではありません。必要性と妥当性が確認できる経費であることが前提です。

2.自己負担まで含めて見る

補助率が1/2なら、原則として半分は自己負担です。補助金は後払いなので、資金繰りまで含めて考える必要があります。

3.賃上げ特例は“取れたらラッキー”で見ない

上限が上がるのは魅力ですが、前提要件をきちんと確認せずに当て込むと危険です。

4.枠の趣旨に合っているかを先に見る

補助率や上限だけで枠を選ぶのではなく、革新的新製品・サービス枠なのか、新事業進出枠なのか、グローバル枠なのか、事業内容との整合が先です。

よくある失敗

補助率や補助上限だけを見て枠を選んでしまい、事業内容との整合が弱くなることです。数字は大事ですが、枠の趣旨に合っていなければ本末転倒です。

当社ができる支援

補助率と補助上限で難しいのは、一覧表を読むことより、自社の投資計画をどの枠に当てはめると一番無理がないか整理することです。

当社では、

  • 3枠の補助率・補助上限の比較整理
  • 投資額に対する最適な枠の整理
  • 自己負担額と資金計画の整理
  • 賃上げ特例を含めた見通し整理
  • 交付申請まで見据えた伴走

まで含めてサポートしています。

「結局どの枠が一番有利なのか分からない」
「補助率と上限のどちらを重視すべきか迷う」
「自己負担まで含めて現実的に判断したい」
そんな場合は、早めに整理する方が安全です。

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よくある質問

Q1. 一番補助率が高いのはどの枠ですか?

A. 基本的にはグローバル枠の2/3です。ただし、革新的新製品・サービス枠でも小規模企業・小規模事業者や再生事業者は2/3です。

Q2. 一番補助上限が大きいのはどの枠ですか?

A. 新事業進出枠とグローバル枠です。賃上げ特例適用時は最大9,000万円まで上がります。

Q3. 補助率が高い枠を選べば得ですか?

A. 必ずしもそうではありません。投資額が大きい場合は、補助上限の方が効いてくることがあります。

Q4. 応募時に入れた金額は全部そのまま補助されますか?

A. いいえ。応募時に計上した経費がそのまま全て補助対象として認められるわけではありません。

まとめ

補助率と補助上限で大切なのは、

  • 3枠で補助率も上限も違うこと
  • 小さめの投資では補助率、大きめの投資では上限が効きやすいこと
  • 賃上げ特例で上限が上がる余地があること
  • 数字だけでなく枠の趣旨との整合が必要なこと

この4つです。

まずは、「投資額」「従業員数」「事業内容」を並べて、どの枠が一番無理なく使えるかを確認するところから始めるのがおすすめです。