小規模事業者持続化補助金の事業計画書はコンサルに依頼すべき?書き方のコツと成功のポイント
小規模事業者持続化補助金の申請で、多くの事業者が悩むのが「事業計画書をどう作ればよいのか」という問題です。
「自社の強みをうまく言葉にできない」
「経営課題と補助事業をどう結び付ければいいのか分からない」
「自分で作成した事業計画書を第三者に確認してほしい」
このような悩みを抱えている場合、商工会・商工会議所への相談に加えて、補助金や経営支援に詳しい専門家へ相談する方法もあります。
ただし、コンサルタントに依頼したからといって、補助金の採択が保証されるわけではありません。
重要なのは、自社の経営状況や課題を整理し、その課題を解決するために補助事業がなぜ必要なのかを、申請する公募回の要件に沿って具体的に説明することです。
本記事では、小規模事業者持続化補助金の事業計画書を作成する際に確認したいポイントや、専門家へ相談するメリット、相談先を選ぶときのポイントについて解説します。
※重要: 小規模事業者持続化補助金は、公募回によって申請要件、対象経費、補助率、補助上限額、申請方法、申請受付期間などが変更される場合があります。本記事では制度の基本的な考え方や事業計画書作成のポイントを解説しています。実際に申請する際は、必ず申請する公募回の最新の公募要領・公募要件・申請案内・様式等をご確認ください。
小規模事業者持続化補助金とは
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者等が経営計画に基づいて行う販路開拓等の取り組みを支援する補助金制度です。
事業者が自社の経営状況や課題を整理し、今後の経営方針や具体的な取り組みを計画することが重要になります。
なお、補助対象となる事業者や取り組み、対象経費、補助率、補助上限額、申請方法などは、公募回によって異なる場合があります。
そのため、これから申請を検討する場合は、過去の公募情報だけを参考にするのではなく、申請する公募回の最新の公募要領や申請案内を確認することが重要です。
また、申請には審査があるため、申請すれば必ず採択されるわけではありません。
事業計画書を作成する際も、最新の公募要領に記載された申請要件や審査の観点などを確認し、自社の事業内容に沿って計画を整理することが大切です。
事業計画書で確認したいポイント
事業計画書を作成する際は、まず申請する公募回の最新の公募要領を確認することから始めましょう。
公募回によって、申請要件や記載事項、審査の観点などが変更される可能性があります。
そのうえで、自社の現状や経営課題、今後の方針、補助事業として実施したい取り組みなどを整理していきます。
特に、以下のような内容について、自社の状況を具体的に説明できるよう準備しておくとよいでしょう。
経営状況を具体的に整理する
まずは、自社が現在どのような事業を行っているのかを整理します。
- どのような商品・サービスを提供しているのか
- 主な顧客は誰なのか
- どの地域を商圏としているのか
- どのような販売方法を採用しているのか
- 自社にはどのような強み・弱みがあるのか
- 競合と比較してどのような特徴があるのか
「品質に自信がある」「地域のお客様に支持されている」といった抽象的な説明だけでなく、実績や具体的な事例などを交えて説明すると、自社の状況を整理しやすくなります。
顧客ニーズや市場環境を整理する
次に、自社を取り巻く市場や顧客について考えます。
例えば、
- 顧客層の変化
- 商圏の変化
- 競合店舗・競合サービスの状況
- 消費者ニーズの変化
- 新しい販売チャネルの可能性
などです。
「市場が拡大している」と書くだけではなく、自社が実際に把握しているデータや顧客の声などを活用し、具体的に説明できるとよいでしょう。
また、外部環境を整理する際には、公的統計や業界データなど、客観的な情報を活用する方法もあります。
自社の強みを具体的に整理する
事業計画書では、自社の強みを分かりやすく説明することも重要です。
例えば、
- 長年の業界経験
- 独自の技術やノウハウ
- 特定の商品・サービスに関する専門性
- 地域における顧客基盤
- 特定の業界との取引実績
- 保有資格や専門スキル
- 顧客から評価されているサービス
などが考えられます。
ただし、「高品質」「丁寧なサービス」「地域密着」といった言葉だけでは、具体的な特徴が伝わりにくい場合があります。
「なぜ顧客から選ばれているのか」という視点から、自社の強みを掘り下げてみましょう。
経営方針・今後の計画を明確にする
「今後売上を伸ばしたい」というだけではなく、
現状 → 課題 → 今後の方向性 → 具体的な取り組み
という流れで整理してみましょう。
例えば、
- 新規顧客への認知が十分ではない
- 新規顧客への情報発信が課題
- Webからの問い合わせを増やしたい
- Webサイトの改善や販促活動を行う
というように整理すると、計画全体のつながりを説明しやすくなります。
補助事業計画は「なぜ、この事業を行うのか」を明確にする
補助事業計画では、単に「広告を出す」「設備を購入する」といった取り組みを列挙するだけではなく、その取り組みが自社の経営課題とどのようにつながっているのかを説明することが大切です。
例えば設備導入を行う場合、
「設備を導入する」
だけで終わらせず、
- 現在どのような課題があるのか
- なぜ既存の設備・方法では対応できないのか
- 新しい設備によって何を実現したいのか
- その取り組みが今後の経営方針にどうつながるのか
まで整理します。
補助事業の内容が具体的で、経営計画との関係が説明できるようにすることを意識しましょう。
なお、実際に補助対象となる経費や取り組みについては、公募回によって異なる場合があります。必ず最新の公募要領等をご確認ください。
数値目標は「数字+根拠」で考える
事業計画書で数値目標を記載する場合は、数字だけを設定するのではなく、その数字を設定した理由や実現に向けた取り組みについても整理しましょう。
例えば、
「売上を増加させる」
という目標を設定する場合には、
- 現在の売上
- 顧客数
- 新たに獲得したい顧客数
- 商品・サービスの単価
- 販売方法
- 具体的な販路開拓の取り組み
などを踏まえて、どのような考え方で目標を設定したのかを説明できるようにします。
「売上を○%増加させる」といった数字を設定する場合も、過去の実績や顧客数など、自社で把握している情報をもとに根拠を整理しておくとよいでしょう。
なお、具体的な記載事項や審査の観点については公募回によって異なる場合があるため、必ず申請する公募回の最新の公募要領を確認してください。
なぜ事業計画書の作成が難しいのか
事業計画書の作成に苦労する理由は、主に次の3つです。
1.自社の強みを客観的に整理しにくい
経営者自身は日々の事業運営に携わっているため、自社では当たり前になっていることが、外部から見ると強みであるケースがあります。
例えば、
- 特殊な技術
- 長年の経験
- 特定地域での顧客基盤
- 独自の商品
- 特定業界との取引実績
- 資格・専門知識
などです。
自分では「普通」と思っていることでも、顧客から選ばれている理由を掘り下げると、事業上の強みが見えてくることがあります。
2.数値目標の根拠を整理しにくい
「売上を増やしたい」という目標はあっても、その数字をどのように設定すればよいのか迷うことがあります。
過去の実績や現在の顧客数、販売単価、商圏などをもとに、無理のない計画として説明できるよう整理することが重要です。
3.経営計画と補助事業のつながりを作りにくい
事業計画書では、それぞれの項目を別々に埋めるだけではなく、全体として一貫した内容になっているか確認しましょう。
例えば、
- 経営課題
「新規顧客への認知が不足している」 - 経営方針
「新規顧客を獲得し、売上基盤を拡大する」 - 補助事業
「新規顧客に向けた販促活動を実施する」 - 期待する効果
「新規顧客からの問い合わせ・来店・受注につなげる」
というように、各項目がつながっているかを確認します。
業種別に考える事業計画書のポイント
事業計画書の書き方は、業種によっても変わります。
ここでは代表的な業種について考え方を紹介します。
製造業の場合
製造業では、設備投資や工程改善などを行う場合、その必要性を具体的に説明することが重要です。
例えば、
- 現在の製造時間
- 生産数量
- 不良率
- 作業工程
- 人員配置
- 受注状況
など、自社で把握しているデータを活用できます。
「設備を導入したい」と書くだけではなく、
現在の課題 → 設備導入の必要性 → 実施内容 → 期待する事業上の効果
という流れで整理しましょう。
なお、設備等が補助対象となるかどうかは、公募回や申請枠、対象経費の要件によって異なる場合があります。具体的な経費については、必ず最新の公募要領等を確認してください。
飲食業の場合
飲食業では、
- 客単価
- 来店客数
- 新規顧客数
- リピーター数
- 営業時間
- 商圏
- メニュー構成
などのデータを活用できます。
また、顧客アンケートや口コミ、SNSへの反応など、自社で確認できる情報があれば、市場や顧客ニーズを整理する際の材料になります。
重要なのは、データを並べることではなく、そのデータからどのような課題が見えているのかを説明することです。
個人事業主の場合
個人事業主の場合も、法人と同様に自社の事業内容や強みを具体的に整理することが重要です。
特に、
- 代表者の経歴
- 保有資格
- 業界経験
- 専門スキル
- これまでの実績
- 顧客から評価されている点
などが事業の強みに直結している場合は、具体的な事実として記載するとよいでしょう。
「個人事業主だから不利」と考えるのではなく、自分自身の経験や専門性を含めて、自社ならではの強みを整理することがポイントです。
なお、個人事業主が申請できるかどうかについても、公募回ごとに要件を確認する必要があります。申請前には必ず最新の公募要領をご確認ください。
小規模事業者持続化補助金の申請はコンサルに依頼すべき?
結論からいうと、必ずコンサルタントに依頼しなければならないわけではありません。
自社で事業内容や経営課題を整理し、最新の公募要領を確認しながら申請準備を進めることもできます。
一方で、
- 自社の強みを整理できない
- 経営課題が明確になっていない
- 補助事業の内容をどう説明すればよいか分からない
- 計画全体のつながりを第三者に確認してほしい
- 補助金だけでなく融資なども含めて資金調達を考えたい
という場合には、専門家に相談する方法があります。
なお、補助金には審査があるため、コンサルタントに依頼したこと自体が採択を保証するものではありません。
専門家を利用する場合も、事業の主体は申請者自身です。
また、申請にあたっては、専門家への相談とは別に、申請する公募回で定められた商工会・商工会議所等への相談や必要な手続きについても、最新の案内を確認しましょう。
コンサルに相談するメリット
専門家に相談する場合、次のようなメリットが考えられます。
第三者の視点から自社を整理できる
経営者自身では気づきにくい強みや課題について、第三者から質問を受けながら整理できます。
経営課題と補助事業の関係を確認できる
「なぜこの取り組みを行うのか」を整理し、経営計画と補助事業のつながりを確認する際に役立ちます。
数値目標や事業計画について相談できる
売上や顧客数などの目標を設定する場合に、その根拠や実現方法を第三者と検討できます。
資金調達全体について相談できる場合がある
設備投資などを行う場合、補助金だけで必要な資金をすべて賄えるとは限りません。
自己資金や融資などを含め、どのように資金を準備するかを検討する必要があります。
そのため、補助金だけでなく融資・資金調達も扱っている専門家であれば、資金面を含めて相談できる場合があります。
コンサルを選ぶときに確認したいポイント
専門家に依頼する場合は、「採択率」などの数字だけを見て判断するのではなく、次のような点を確認しましょう。
自社が申請する補助金を扱っているか
補助金にはそれぞれ対象者、対象経費、審査項目、申請方法などがあります。
自社が申請する補助金について、具体的にどのような支援を行っているのか確認しましょう。
どこまで支援してもらえるのか
「相談のみ」なのか、
- 事業計画の整理
- 申請書作成支援
- 申請手続きのサポート
- 採択後の実績報告支援
など、どこまで対応するのかを事前に確認することが大切です。
また、補助金によっては、申請者自身が行う必要のある手続きがあります。
専門家に依頼する場合でも、どの手続きを誰が担当するのかを事前に確認しておきましょう。
費用体系が明確か
着手金、成功報酬、月額費用など、料金体系は事前に確認しましょう。
「採択されたらいくらかかるのか」だけではなく、採択されなかった場合の費用や、追加料金が発生する条件についても確認しておくと安心です。
補助金以外の資金調達も相談できるか
設備投資などでは、補助金と融資を組み合わせて資金計画を考えるケースもあります。
補助金だけでなく、融資や資金繰りなども含めて相談したい場合は、対応領域も確認しておきましょう。
平沼コンサルティングに相談するという選択肢
平沼コンサルティングは、東京都葛飾区と福井県福井市を拠点に、資金調達、事業承継、経営コンサルティングなどを行っているコンサルティング事務所です。
代表コンサルタントの平沼裕次氏は、中小企業診断士、事業承継士、SP融資コンサルタントの資格を有しています。
創業・スタートアップ、資金調達・融資支援、事業再構築・再生、新事業進出・ものづくり補助金など、経営のさまざまな段階に応じた支援内容をご案内しております。
また、補助金に関するサービスとして「補助金コンサル」「持続化・IT導入」も案内されています。
補助金だけを単独で考えるのではなく、資金調達や経営計画を含めて相談したい事業者にとって、選択肢の一つとなる相談先といえるでしょう。
平沼コンサルティングの特徴
中小企業診断士・事業承継士が在籍
代表コンサルタントが中小企業診断士、事業承継士、SP融資コンサルタントの資格を有しており、経営や資金調達に関する相談に対応しています。
資金調達・融資支援にも対応
資金調達・融資支援について、事業者の状況に応じた資金調達についてご提案しております。
補助金の活用だけでなく、融資などを含めて資金調達を検討したい場合に相談できる点は特徴の一つです。
初回相談は無料
初回相談を無料で受け付けております。
補助金の申請を検討しているものの、まず自社の状況を相談したいという場合にも利用しやすいでしょう。
オンラインで相談できる
オンラインでの相談にも対応しているため、所在地にかかわらず相談しやすい点も特徴です。
対面相談については、対応地域や条件などを公式サイトで確認するとよいでしょう。
幅広い業種に対応
製造業、飲食業、IT業、小売業など、幅広い業種をサポートしています。
事業計画書を作成する前に準備しておきたい情報
専門家に相談する場合でも、まず自社の状況を整理しておくと相談がスムーズです。
例えば、次の情報を準備しておきましょう。
- 会社・事業の概要
- 商品・サービスの内容
- 主な顧客
- 商圏
- 売上の状況
- 顧客数
- 自社の強み
- 自社の弱み
- 主な競合
- 現在抱えている経営課題
- 今後取り組みたいこと
- 補助金を活用して実施したいこと
- 必要と考えている経費
- 自己資金の状況
- 融資など他の資金調達の可能性
特に重要なのは、「補助金を使って何を買いたいか」ではなく、「事業として何を実現したいのか」から整理することです。
小規模事業者持続化補助金の事業計画書チェックリスト
提出前には、次の項目を確認してみましょう。
- 自社の商品・サービスを具体的に説明できている
- 主な顧客や市場を整理できている
- 自社の強み・弱みを具体的に説明できている
- 競合との違いを整理できている
- 顧客ニーズや市場環境を把握している
- 現在の経営課題が明確になっている
- 今後の経営方針が整理されている
- 補助事業を行う理由が明確になっている
- 経営課題と補助事業がつながっている
- 補助事業の具体的な実施方法を説明できている
- 実施時期やスケジュールを整理している
- 数値目標に根拠がある
- 必要な経費を適切に整理している
- 最新の公募要領を確認している
- 最新の申請案内・様式等を確認している
- 申請に必要な手続きを確認している
- 商工会・商工会議所等への相談や必要な手続きがある場合、その期限を確認している
※上記は事業計画書作成時の一般的な確認事項です。公募回によって要件や手続きが変更される場合があるため、実際の申請にあたっては、必ず申請する公募回の最新の公募要領・公募要件・申請案内・様式等をご確認ください。
まとめ:申請前に最新の公募要領を確認しましょう
小規模事業者持続化補助金の事業計画書を作成する際は、文章をきれいにまとめることだけでなく、自社の現状や経営課題、今後の方針、補助事業として実施する取り組みを一貫して整理することが大切です。
特に、
- 自社の現状
- 顧客・市場の状況
- 自社の強み・課題
- 今後の経営方針
- 補助事業の内容
- 事業によって目指す効果
という流れで、自社の経営と補助事業とのつながりを整理してみましょう。
また、小規模事業者持続化補助金は、公募回によって申請要件や対象経費、補助率、補助上限額、申請期間、申請方法などが変更される場合があります。
そのため、本記事の内容だけで申請要件や補助対象を判断することは避け、実際に申請する際は必ず最新の公募要領・公募要件・申請案内・様式等をご確認ください。
「自社が補助金の対象になるのか分からない」
「事業計画をどのように整理すればよいのか分からない」
「補助金だけでなく融資なども含めて資金調達を検討したい」
といった場合には、専門家に相談することも選択肢の一つです。
平沼コンサルティングでは、資金調達・融資支援や補助金、経営に関する相談に対応しています。
補助金の利用を検討している場合も、まずは現在の事業状況や経営上の課題を整理し、自社に適した資金調達方法や事業計画について相談してみるとよいでしょう。
小規模事業者持続化補助金の申請を検討している方は、まず最新の公募要領等を確認したうえで、自社に必要な準備を整理してみてはいかがでしょうか。

